うつ病Depression
主な症状
- 気分が落ち込む
- ぼんやりしている
- 食欲がない
- 眠れない(日中の眠気)
治療方針
休養+薬物療法の2本柱
薬は必要最小限にとどめます。 漢方薬の効果が見込める症状に対しては漢方薬を提案していきます。
- 環境がきっかけとなり発症している場合には環境の調整を一緒に相談しながら進めていきます。
- 治療を開始して間もない間はしっかり休息できるように生活のアドバイスをしていきます。
- 症状が7~8割程度改善してからはリハビリを意識したアドバイスをしながら、一緒に生活の振り返りを行っていきます。
- 規則正しい生活が送れており、頭も身体も調子がよい頃のように回るようになってきたら、復職など元の生活に戻っていくことを一緒に検討していきます。
- 近隣のリワーク施設と連携しており、必要に応じてリワークプログラムを導入していきます。
- 体の病気からうつ状態になることがありますので、当院では初診時に血液検査をお願いしています。
最近の血液検査の結果などがありましたらご持参ください。
- 個別の心理カウンセリングは現在当院では行っていません。
- グループでの心理療法を併用できるように準備を整えていますが、現状では用意がありません。
症状が落ち着いてから
元の生活に戻ってからも、心と身体の負荷の程度を一緒に確認しながら、再発の予防を行っていきます。
- 一定期間、うつ状態が再発なく経過していれば薬を慎重に減量しながら経過を見ていきます。
- 薬がなくなってからも問題なく経過していれば、通院は終了して、様子をみてもらうことになります。
躁うつ病Manic depression
主な症状
ハイテンションな躁状態と、やる気がない・悲しいなどうつ状態を繰り返す
治療方針
うつ状態で来院される方には双極性のある方が一部おられますので、若年時からの経過を詳しくお聞きして、双極性が隠れていないかを慎重に見極めていきます。
躁状態とうつ状態の程度によって、薬物療法が本当に必要かを一緒に生活を振り返りながら見極めていきます。
薬物療法が必要でない場合
薬物療法が必要でない程度の気分の波の場合には、気分の記録をつけてもらいながら、ご自身の波を自覚してもらったうえで、波が荒立たないようにどのような生活が好ましいかをアドバイスしていきます。
- 気分の波によって社会生活に一定以上の支障がある場合には、薬物療法が必要になります。
薬物療法を行う場合
- 薬物療法を行う際には、うつ状態と躁状態の程度とタイプ、今までのお薬の副作用、妊娠や授乳を控えているか、などを総合して、数ある気分安定作用のある薬の中から最善と思われる薬を提案していきます。
- 気分の波が幅が小さくなってきたか、頻度が減ってきたかを、確認しながら、お薬の効果を判定していきます。
- お薬を飲んで気分の波が小さくなったことでご自身の波がよくわかるようになり、生活のコントロールがうまくできるようになった場合には、慎重に薬を減らせるかどうかを相談していきます。
不眠症・睡眠障害Insomnia , Sleep disorders
治療方針
- 睡眠の状態を詳しくお聞きして、どのような睡眠障害なのかを診断していきます。
- 生活習慣によって、睡眠が悪くなっている場合には、睡眠覚醒表をつけてもらいながら、生活のアドバイスを行っていきます。
- 睡眠中の無呼吸が疑われる場合には、当院にて自宅で行える簡易の睡眠検査を行います。
- 詳しい睡眠の検査が必要な場合には、睡眠専門の医療機関に紹介します。
- 明らかな睡眠時無呼吸症候群がある場合には、当院でCPAP治療を導入することもできます。
コラム「不眠症・睡眠障害」
パニック症・社交不安症・
強迫症・全般不安症Panic, Social anxiety, Obsessive-compulsive,
Generalized anxiety
治療方針
治療は、薬物療法と心理療法にて行います。
- お薬の量は最小限にしています。抗不安薬を使った場合も、処方薬依存に陥らないように気を付けています。
- 不安障害に関しては、漢方薬で効果がでることがしばしばあります。問診や身体診察を行ったうえで、効果が見込めそうな場合には漢方治療も提案いたします。
- 治療経過の良し悪しを決める要因として、薬だけではく、日常生活の中での不安に対しての姿勢や対処の仕方がとても重要です。
適宜生活を送るうえでのアドバイスをしていきます。
症状が落ち着いてから
症状がなくなったあとは、当面は薬物療法と心理療法を継続していき、その後も再発がない場合は、徐々に薬を減量し中止していきます。
薬を中止したあとも再発なく、長らく経過する方も多くおられます。
もしも再発した場合は、治療を再開し、症状が治ったあとはより長期間の再発予防を行っていきます。
マインドフルネスを取り入れた心理療法を行うことで、自分の中で起こってくる不快な現象を許し、最終的に各種の不安を乗り越えていけることがあります。当ビル内でもマインドフルネス関連の各種ワークやセラピーを定期的に行っております。
個別の心理カウンセリングについては、現在は当院では行っておりません。
コラム「パニック症・パニック障害・広場恐怖症」
コラム「社交不安症・社交不安障害(対人恐怖、社交恐怖、あがり症)」
コラム「強迫症・強迫性障害」
コラム「全般不安症・全般不安障害」
自閉スペクトラム症(ASD)Autism spectrum disorder
自閉スペクトラム症(ASD)は、言葉や言葉以外の方法(表情、視線、身振り)によって相手が考えていることを読み取ったり、自分の考えを相手に伝えたりすることが苦手であったり、特定の物事にこだわりが強いなど、を特徴とする発達障害の一つです。
コラム「自閉スペクトラム症(ASD)」
注意欠如・多動性(ADHD)Attention deficit/Hyperactivity
注意欠陥多動性障害は、学校や家庭、 職場などの複数の場面で、 発達水準に不相応な不注意や多動・衝動性などの症状を幼少期から認めるもので、日常生活に支障を及ぼす発達障害の一種です。
幼少期には、勉強でケアレスミスが多い、課題に集中できなかったり先送りしてしまう、忘れ物が多い、整理整頓ができない、忘れ物や紛失物が多い、気が散りやすい、遅刻が多い、などの不注意症状や、落ち着きがない、じっと座っていられない、離席が多い、喋りすぎる、順番を待てない、他人の会話に割り込む、などの多動性・衝動性の症状として現れます。
これらのADHDの症状は、大人になると軽快することもありますが、症状が持続して社会生活で支障を来たすことも多くあります。大人になってからは、計画的に物事を進められない、注意が散りやすいためすぐ他事を始めてしまって仕事や家事が片付いていかない、そわそわして落ち着かない、いろんなことが頭に浮かび騒がしい、感情のコントロールが難しい、衝動的に大きな決断をする、交通事故が多い、などの症状を来たしてしまいます。
治療方針
ADHDと診断された場合には、心理教育とともに、障害が顕在化しないような環境調整(職場や学校への合理的配慮を要請する等)などの心理社会的治療を行います。
環境調整や行動面の取り組みを行っても、日常生活に困難が持続する場合には薬物療法を検討します。薬物療法には、コンサータ(メチルフェニデート徐放錠)、ストラテラ(アトモキセチン)、インチュニブ(グアンファシン)を使用します。当院ではコンサータ処方が可能です。
コラム「注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害(ADHD)」
PMS・PMDD PMS,PMDD
治療方針
- 月経前症候群(PMS)については、漢方薬で対処できることが多くあります。
- 落ち込みやイライラなどの精神症状が非常に強い月経前不快気分障害(PMDD)では、漢方薬では対処ができず、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)という薬が必要になります。
- PMDDは、うつ病に比べて、SSRIの量は少なくすむことが多いです。
- 月経前の落ち込みやイライラが改善することによって、家庭や職場での人間関係がよくなり、楽に過ごせるようになります。
- イライラや落ち込みは、ほかのいろいろな疾患でも出現します。そのため、本当に月経前だけなのかを記録をつけながら一緒に確認していきます。月経周期とは別の気分の波が隠れていることもあります。
ご注意事項
- 月経痛や月経関連の異常には不妊や婦人科の病気が隠れていることがありますので、婦人科受診を一度はお願いしています。
- 婦人科で処方される低用量ピルは当院では処方できません。
- 明らかな女性ホルモン値の低下がある場合には、ホルモン補充療法が有効ですので、婦人科を紹介します。
- 更年期障害の治療に、プラセンタ注射を行っています(特定生物由来製剤として使用の同意が必要です)。保険適応年齢はだいたい45~59歳です。
コラム「月経前症候群(PMS)/ 月経前不快気分障害(PMDD)」
自律神経失調症Autonomic imbalance
こんな症状ありませんか?
- だるい
- つかれやすい
- 熱っぽい
- めまい
- 頭が重い
- 眠れない
- 汗をかきやすい
- 寝汗
- 食欲不振
- 腹痛
- 腹部不快感
- 下痢
- 便秘
- 気持ち悪い
- 喉が乾く
- しびれる
- 息切れ
- 動悸
- 肩こり
- 腰痛
治療方針
- 自律神経失調症は、検査で調べても原因がわからないというのが前提になります。
- 多様なからだの症状に対して、当院では、漢方薬と西洋薬の両方を用いて、治療を行っています。
- 漢方治療は、全身の症状や状態、軽快や増悪する状況を把握したうえで、体の診察を行い、処方を決定していきます。
- 精神的なストレスや生活習慣の乱れが背景にあることが多いため、環境の調整や、生活の指導を行っていきます。
- マインドフルネスを取り入れた心理療法を行うことで、自覚的なストレスが低減して、不調が減ることがあります。当ビル内でもマインドフルネス関連の各種ワークやセラピーを定期的に行っております。
- 当ビル内では、ヨガやピラティス、鍼灸、アロマセラピーなども行うことができます。
- 甲状腺機能異常や糖尿病によって、これらの症状が引き起こされていることがしばしばありますので、当院では血液検査をお願いしています。
- 体の症状によっては、各診療科で治療すべき疾患がないかを調べてもらっておく必要があります。
- 体の症状が主体であっても、うつ病や不安障害が隠れていることがあるので、その際は精神科的な治療を優先することがあります。
コラム「自律神経失調症」
過敏性腸症候群Irritable bowel syndrome
コラム「過敏性腸症候群」
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統合失調症・妄想性障害Schizophrenia , Delusional disorder
治療方針
- 当院では統合失調症や妄想性障害などについても診療を行っています。
- 病状は安定しているけれども薬が多くて心配な方は、病状の再発がないように慎重に薬を調整していきます。
- 最近まで入院していたなど病状が不安定な方は、当院での治療をお断りさせていただくことがあります。
コラム「統合失調症」
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コラム「妄想性障害」
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