ACEs(小児期逆境体験)について
子どもの頃、親からの暴言や暴力、育児放棄はありませんでしたか?
親のアルコール依存や薬物依存、精神疾患によって、不安定な養育環境ではなかったですか?
親の死別や離別によって、十分な愛情を得られなかったことはないですか?
自分の望まない性的接触はなかったですか?
これらの幼少期の逆境体験は、ACEs(Adverse Childhood Experiences)と呼ばれます。
多くのACEsを経験すればするほど、大人になってからさまざまな生きづらさを抱えやすいことが、多数の医学的研究でわかってきています。
ACEsが幼少期の神経の発達不全を引き起こし、情緒や認知の発達を損なってしまい、大人になってからも健康を阻害する行動を起こしやすくなり、結果としての精神疾患の発症につながるのではないかということが言われてます。
ACEsの影響は生涯にわたって続く可能性があり、ACEsを経験した人が孤立しないように、周囲がサポートしていくことが大切です。
ACEsは長期的にネガティブな影響を及ぼすため、ACEs経験者の精神疾患の治療は長期になりやすい傾向があり、だからこそ、よりよい治療環境を整える必要があります。
当院では、ACEs経験者の治療の一環として、公認心理師により個別カウンセリングや、トラウマの克服に向けたトラウマ・センシティブ・ヨガを実施しています。
個別カウンセリングは医療保険外で高額になることが多いですが、
当院では、負担がかからず継続できるように、個別カウンセリングも、トラウマ・センシティブ・ヨガも、保険診療内で行っております。
ACEsは難しい問題ですが、少しずつでも快方に向かえるように、当院では、いろいろな治療や支援に取り組んでおります。
治療に際して気になることがおありであれば、お気軽に、主治医やスタッフにお尋ねください。