対人関係のトラブルにおけるASDのADHDの違い
ASD(自閉スペクトラム症)でもADHD(注意欠陥多動性障害)でも、対人関係のトラブルで困っていらっしゃる方は多いと思います。しかし、その背景には違いがあります。
ASDの方は、相手の思考や感情が直観的に理解できないので、場にそぐわない言動、いわゆる空気が読めない言動をしてしまい、対人トラブルになってしまいます。
その一方で、ADHDの方は、相手の思考や感情は理解できるものの、その衝動性の高さから、思ったことをそのまま口に出してしまい、トラブルになりやすくなります。
ASDとADHDは併存していることも少なくないので、その場合は両方の特性によって、それぞれ単独の場合よりもさらに対人トラブルを招きやすく、生きづらさを抱えてしまいます。
対人トラブルによる否定的な体験を繰り返していくと、「よくわからないけど、だいたい私の言動は間違っている」と思いこむようになります。
そして、対人恐怖から社会生活が怖くなってしまう場合もあれば、失敗しないために高い行動基準に従って行動して疲弊してしまう場合もあります。
対人的な心的外傷によってトラウマ症状で苦しんだり、過剰適応によって気分障害や不安障害を来たしたり、などの二次障害が合併してくると、その治療も併せて行っていく必要がでてきてしまいます。
関連記事:ADHD(注意欠陥多動性障害)の症状、ADHD(注意欠陥多動性障害)の診断治療、ADHDで見られやすいWAIS-Ⅳの所見、ADHDにおける幼少期のエピソードついて