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トラウマ・センシティブ・ヨガ

トラウマ・センシティブ・ヨガとは、アメリカのトラウマ研究や治療のための機関である「トラウマセンター」でトラウマのための補助療法として行われているプログラムです。


「過去のつらい経験が、今も心と体に影響を与えているように感じる」

 

「緊張や不安がなかなか消えない」

 

「自分の体を安心して感じられない」

   

そんなお悩みはありませんか?

  
  
トラウマ体験は、そのときの感情や感覚を体の中に記憶させ、様々な心身の不調として現れることがあります。

 

トラウマ・センシティブ・ヨガは、このようなトラウマの影響を受けた心と体に対して、無理のない動きや呼吸法を通して、安心感と自己調整力を高めていくことを目指します。
   

   

一般的なヨガとは異なり、「こうあるべき」という形にとらわれず、ご自身の内側の感覚を大切にしながら、安全な空間で心と体のつながりをゆっくりと取り戻していくことを目的としています。

   

続けていくことで、バラバラに感じていた体と心の感覚が 徐々に一体感を取り戻していきます。
 

    

男性関係でトラウマを持つ方がおられるため、当院のヨガは女性限定で行っております。

  

トラウマ・センシティブ・ヨガはトラウマに対して配慮された安全なヨガですので、当然ながらトラウマのない方も参加していただくことは全く問題はありません。   

  

ヨガ講座にご興味のある方は、主治医やスタッフもお声がけください。

ACEs(小児期逆境体験)について

子どもの頃、親からの暴言や暴力、育児放棄はありませんでしたか?

  

親のアルコール依存や薬物依存、精神疾患によって、不安定な養育環境ではなかったですか?

  

親の死別や離別によって、十分な愛情を得られなかったことはないですか?

  

自分の望まない性的接触はなかったですか?

  

これらの幼少期の逆境体験は、ACEs(Adverse Childhood Experiences)と呼ばれます。

   

多くのACEsを経験すればするほど、大人になってからさまざまな生きづらさを抱えやすいことが、多数の医学的研究でわかってきています。

   

ACEsが幼少期の神経の発達不全を引き起こし、情緒や認知の発達を損なってしまい、大人になってからも健康を阻害する行動を起こしやすくなり、結果としての精神疾患の発症につながるのではないかということが言われてます。  

   

ACEsの影響は生涯にわたって続く可能性があり、ACEsを経験した人が孤立しないように、周囲がサポートしていくことが大切です。

  

ACEsは長期的にネガティブな影響を及ぼすため、ACEs経験者の精神疾患の治療は長期になりやすい傾向があり、だからこそ、よりよい治療環境を整える必要があります。

   

当院では、ACEs経験者の治療の一環として、公認心理師により個別カウンセリングや、トラウマの克服に向けたトラウマ・センシティブ・ヨガを実施しています。

  

個別カウンセリングは医療保険外で高額になることが多いですが、

 

当院では、負担がかからず継続できるように、個別カウンセリングも、トラウマ・センシティブ・ヨガも、保険診療内で行っております。

   

 

ACEsは難しい問題ですが、少しずつでも快方に向かえるように、当院では、いろいろな治療や支援に取り組んでおります。

   

治療に際して気になることがおありであれば、お気軽に、主治医やスタッフにお尋ねください。

認知行動療法(CBT)について


「ちょっとした失敗なのに気持ちが落ち込んで抜け出せない」

  

「周りの些細な一言が気になって絶望してしまう」

  

「いつも不安なことばかり考えて休まらない」

  

こんなお悩みはありませんか?
 

   

   

認知行動療法(CBT)は、あなたの考え方(認知)と行動のパターンに焦点を当て、より楽に生きるためのお手伝いをする心理療法です。

 
私たちは、同じ出来事に遭遇しても、人それぞれ異なる捉え方をします。そして、その捉え方が感情や行動に大きく影響を与えます。

   

   

  

出来事: 友達からの誘いを断られた。

  

Aさん「きっと、私といても楽しくないんだ。もうこれから誘うのは一切やめよう。」  ➡悲しい気持ちになって、絶望する

  

Bさん「今日は疲れているからかな。また今度ゆっくり会えばいいや。」  ➡感情の変化はとくにおこらない。
 

このように、同じ出来事でも考え方一つで、その後の気持ちの違いますね。

  
  

認知行動療法では、あなたが普段どんな考え方のクセを持っているのか、その考え方が今のあなたにどんな影響を与えているのかを一緒に見つめていきます。

 
そして、より柔軟で現実的な考え方や、問題解決につながる行動を少しずつ身につけていきます。

   

     

    

当クリニックでは、来月から、こころからだスクールで、集団認知行動療法がはじまります。

   

認知、感情、身体反応、行動の仕組みを知り、ストレスを前向きに受け止め、自分を大切にできるようになることを目標としていく講座です。

  

いろいろな認知行動療法の技法を学び、実際に日常生活に応用できるように取り組んでいきます。

   

習得したスキルを日常生活で少しずつ試していくと、自分のこころの手綱の取り方を体感できるようになり、少しずつ変化を実感していけると思います。

    

 
「なんだか難しそう…」「私にできるかな?」と感じられた方もいらっしゃるかもしれませんがご安心ください。

  

当クリニックの心理師が、あなたのペースに合わせて丁寧にサポートいたします。

   
あなたらしい、より豊かな人生を送るための一歩を、私たちと一緒に踏み出してみませんか? 

  

なお、保険適応のショートケアなので、金銭的な負担は少なくご利用いただけます。


森田療法について

当院では、森田療法を取り入れて、外来治療を行っています。

  

 

どうして、森田療法に力を入れているのかを、簡単にお話したいと思います。

   

一言でいうと、本来持っているはずの症状と付き合っていく力を取り戻すためです。

  

森田療法では、不安障害(不安症)における「とらわれ」と「はからい」の悪循環を指摘しています。

     
「とらわれ」とは、ある症状だけに注意が集中して、固着してしまうことです。

  

とらわれればとらわれるほど、そのある症状がより侵襲的に感じられてしまいます。

    

そうすると、そのある症状を手っ取り早く取り除こうという「はからい」が生じます。

  

ある症状を取り除こうと、はからえばはからうほど、さらに「とらわれ」が増大してしまいます。

   

この悪循環にはまってしまうと、この誤った「とらわれ」と「はからい」で、頭の中が占拠されてしまい、本来持っている健康的に生きる力を失っていってしまいます。

   

森田療法では、悪循環を形成しない「はからい方」と「とらわれ方」を身につけていくことを目指していきます。

   

目指すのは、決して、「はからい」をやめることでも「とらわれ」から離れることでもありません。

     

「とらわれ」を消そうとすると、かえってその「とらわれ」は増大してしまいます。

   

森田療法では、正しく「はからい」、正しく「とらわれ」ることを目指していきます。

 

  

  

 

さらに、不安障害の方には、「かくあらねばならない」という潜在的な欲求が強い方が多くおられます。

  

不安はよりよく生きたい欲求の裏返しでもあります。

  

「しっかりとしていたい」という欲が強いと、「しっかりできてないのではないか」という不安が現れます。

   

「認められたい」と欲張ると、「悪く思われているんじゃないか」という不安が現れます。 

   

   

不安をそのままに受け入れるだけではなく、背後にある本来の欲求も、そのままに受入れていきます。

  

自らの健康な欲求に気づき、その欲求を健康的に発揮して、良き生き方をを目指していきます。 

  

 

森田療法は、東洋的な考え方が背景にあり、日本人には馴染みやすいところもとてもよい点です。

   

  

適応となるのは、社交不安症、強迫症、パニック症、広場恐怖症、身体症状症、軽症うつ病などです。

  

   

 

    

皆さま一人ひとりが、人生の主人公として、健康的に歩んでいけることを願っております。

    

2025年2月以降に開講予定の集団心理療法について

これまで、「ここから考動セミナー(認知行動療法、森田療法)」、「ゆる~い哲学カフェ」などの集団心理療法、神経発達症の集団プログラム、ヨガやマインドフルネスなどを行ってきました。

   

集団心理療法は、心理療法的な学びに加え、集団ならではの自助の力が強く働きます。

   

それぞれの思考や感情を共有することによって、こころの浄化、カタルシスが得られるだけでなく、自らを相対化し客観視することもできます。

   

また、心理療法的エッセンスを生きた知恵として学び、参加者同士がその知恵を日常生活に応用、共有することで、ともに心理的な成長を目指していくことができます。

     

さらに、自助グループ的要素の強い集団心理療法においては、同じ心理的な問題を抱えている人同士が集まり、相互に理解し合いながら、問題を乗り越えていための助け合いの場、癒しの場となります。

   

   

これからも、皆様の役に立つ良いものを取り入れながら、プログラムを充実させていきたいと思っています。

   

2025年2月頃から、集団心理療法3講座を開講いたします。

 

一つ目は、「日記活用セミナー」です。

  

外来森田療法において特徴的なアプローチである日記療法をベースとした、実践的なコースです。

 

認知行動療法や森田療法のエッセンスを生きた知恵として学ぶ「ここから考動セミナー」が、2024年から始まっています。

 

「日記活用セミナー」は、「ここから考動セミナー」で得た知恵を実際の生活に応用し、自分自身が人生の主人公として運命を受け入れつつ、能動的に生きていくため実践的なコースとなっています。

  

  

二つ目は、「グリーフカフェ」です。

 

グリーフとは、大切な存在を失うという喪失体験による深い悲しみや嘆きと、それに関連する反応のことです。

 

大切な家族、恋人、友人、ペットとの死別によって、いまだ哀しみの渦中におられる方も多いのではないでしょうか。

   

そのような方に対する癒しの場として、「グリーフカフェ」を開講することにいたしました。

 

  

三つ目が、「コラージュ療法」です。

  

切り抜きの写真やイラストを用いて、心の奥にある無意識を、芸術というかたちで表現していきます。

   

言葉にできない感情や無意識の葛藤を表現することで、こころの浄化作用がえられます。

  
自分の内にある感情をうまく言語化できない方にとくに有用な心理療法です。

  

仲間と一緒にアートし、話すことによって、人間関係を築くことにも役立ちます。

   

   

2025年は、これらの3講座から開講し、春夏頃にはさらに、「家庭や育児の悩み相談カフェ」などの講座もはじめられるように準備を進めているところです。

マインドフルネス瞑想の10日間の合宿に参加してきました

あけましておめでとうございます。 

 

今回の年末年始は長い休暇をいただき、大変ご迷惑をおかけしました。

   

   

実は、この間、マインドフルネス瞑想(ヴィパッサナー瞑想)の10日間の合宿に参加してきました。

     

静かな自然の中に籠って、沈黙を守り、ただただ瞑想をするというもので、今回で2回目の参加でした。

  

1回目もそうでしたが、やっぱり心身がリセットされますね。

  

日常生活で染みついた条件付けが取りさらわれ、白紙に戻るような感覚と表現してもいいかもしれません。

   

感覚が鋭敏になり、時間の流れが変わります。

     

瞑想合宿の間と、その後しばらくは、「今、一瞬一瞬」にとどまるとはこうゆうことなんだなって体感できます。

 

しばらくすると、このマインドフルな状態は弱まっていってしまうのですが、、、

 

   

     

2回目の参加で、感じとりにくい微細な身体知覚を、普段の生活の中でもしっかり浮き上がらせておくことの重要性がわかりました。

  

合宿後はボディースキャン瞑想をメインで行うようになり、日常生活の中での身体感覚が鋭敏になったように感じられます。

    

    

 

とにかく、いろんな意味で良い時間を過ごすことができました。 

   

大事な時間を使わせてもらった家族に、感謝しなくてはなりません。

    

      

   

有名な禅語に「吾唯知足(われただたるをしる)」があります。

     

「不平不満を言わず、満足する気持ちを忘れないように」という意味合いで説明されることもありますが、

 

合宿後にこの言葉に触れて、「わたしはただ、満ち足りていることだけを知っている」という本来の意味を少し感じられた気がします。

     

自我が渇望したり不安恐怖したりしているだけで、実はもう満ち足りていると。

   

少しずつですが、自我に振り回されない穏やさを育んでいきたいと思っています。

    

  

2025年も、微力ながら一歩一歩精進してまいります。 どうかよろしくお願い申し上げます。

2024年2月頃からこころからだスクール(保険適応)を開始します

 

2月頃から精神科こころからだスクール(保険適応)が当院ビル8階にて始まります。

  

①ASDプログラム
回数:合計21回
日程:土曜9:00~12:00
時間:入退室含め3時間(ワーク自体は2時間程度)
定員:10名
料金:1回につき、1割負担で570円程度、3割負担で1710円程度
内容:自閉スペクトラム症とその近縁の発達障害の方のために、昭和大学が開発した小集団のプログラムです。特性の理解を深め、他の参加者と思いや悩みを共有し、社会生活で必要なコミュニケーションスキルの習得や向上を目指します。

  

②ヨガ&マインドフルネス
回数:合計8回
日程:月曜9:00~12:00、金曜12:00~15:00
時間:入退室含め3時間(ワーク自体は2時間程度)
定員:15〜20名
料金:1回につき、1割負担で370円程度、3割負担で1110円程度
内容:不安、抑うつ、慢性疼痛、心気症への効果が認められているマインドフルネスを、ヨガとともに学ぶプログラムです。マインドフルネスという言葉が注目を集める大きな契機となったのは、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)の効果が実証されたことでした。このジョン・カバット・ジンによるプログラムは、欧米人に受け入れやすいようにヨガを融合させたものでした。当院のプログラムも初めての方でも受け入れやすいように、各回前半はヨガインストラクターによるボディワークを行い、後半は呼吸への注意、ボディースキャン、静座瞑想を少しずつ深めていく内容にしています。全8回修了された後は、空きがあれば随時参加は可能です。

   

こころからだスクール参加を希望される方は、診察時にご相談ください。

マインドフルネスから見える、東洋と西洋の違い

マインドフルネス瞑想をしていると、「感情と思考に常に振り回され、反射的に反応をしていること」に気づきます。

 

西洋の心理療法では、感情や思考に振り回されていることに対して、論理的にその心の動きを制御しようとします。

 

それに対して、東洋では、論理よりも感覚的です。身体感覚に近いかたちで、思考と感情と付き合っていきます。心の動きの原因を論理的に追及せず、そのままその心の動きを手放していきます。

  
仏教では四苦というものがありますが、老病死だけでなく、生、つまり生きることも苦と考えます。

 

もちろん、生きるうえでの苦労は尽きませんが、苦労だけでなく、快楽に反応することも苦と考えます。快楽は求めれば求めるほど、次の快楽を欲してしまい、このループも苦なのです。

  

そのため「こころの動きに反応しない生き方」を説いています。

  

反応しないとは行動に移さないことだけでなく、浮かんできた思考や感情をもコントロールしようとせず手放していくことが、本当に反応しないということになります。

  

西洋発の心理療法ももちろん必要ですし、とても役立つものです。その一方で、心の動きと付き合ながらうまく手放していく東洋的なアプローチも大変有用です。

    

関連記事:マインドフルネスってなあに?マインドフルネス瞑想の簡単な始め方

 

マインドフルネス瞑想の簡単な始め方

日本では瞑想というと「なんかよくわからない。スピリチュアルで怪しい」と感じる方が今もおられますが、米国ではランニングのような健康法の一つのようになってきています。

 

まず簡単に始めるなら、息をひたすら観察し続ける、呼吸の瞑想を試してみるのがよいと思います。

 

最初は、数分も経たないうちに、思考に意識を持っていかれてしまい、呼吸の観察が途切れてしまいます。これはマインドワンダリングと言い、心の迷走やモンキーマインドとも呼ばれます。

 

諦めずに続けていくと、少しずつ呼吸への注意が続くようになってきます。そのうち、呼吸を観察するように、思考や感情も客観的に観察できるようになってくるでしょう。ここで、大事なのは、思考や感情に反応せず、静かな心でそれらを手放していくことです。

 

そして、この呼吸の瞑想を毎日の習慣にすることがとても大切です。

  

テーラワーダ仏教僧や禅僧のような穏やかさを手に入れるのはなかなか難しいかもしれませんが、続けていれば多少でも情緒が乱れにくくなるなどの効果を感じるようになると思います。

  

ヨガは、体を動かす瞑想と言えます。体を動かす方が得意な方は、ヨガから初めてみるのもよいでしょう。

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発達障害診断後の治療について

ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠陥多動性障害)などの発達障害の診断を受けたあとの、医療資源の少なさが医療を提供する側の課題になっています。

 

ASDにしてもADHDにしても、特性と付き合っていくことが目標になり、ショートケアやデイケアでの専門プログラムが治療の主軸になるべきではありますが、それらを提供できる医療機関はまだまだ限られています。

 

それ以外の選択肢となると、ADHDであれば薬物療法がありますが、ASDの場合には薬物療法という選択肢がありません。

 

そのため、気分障害や不安障害などの併存症の治療を行いながら、特性が障害とならないように環境を調整していくことになります。

  

社会生活上の障害が大きい場合には、精神障碍者手帳を取得し、障碍者雇用などにて障害が顕在化しないように就労環境を整えていくことになります。それが難しい場合には、障碍者年金なども検討していくことになります。

  

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