ローディング
LINE
コラム
スクール予約

コラム記事一覧Column archives

適応反応症(適応障害)の診断から治療、回復、予防について

適応障害は、特定のストレス要因によって心身のバランスが崩れ、日常生活に支障をきたす状態です。「心が弱いから」ではなく、置かれた環境と個人の耐性のバランスが一時的に崩れた結果として起こるものです。

                             
医師の視点から、適応障害の診断から回復、そして再発を防ぐためのステップを詳しく解説します。

                         

                    
1.適応障害の診断について

         

                                            
適応障害の診断において最も重要なのは、「明確なストレスの原因」と「症状の発現時期」の特定です。

                              

         
• 発症のタイミング: ストレス要因が生じてから通常1か月以内に症状が現れます。

                         
• 症状の特性: 抑うつ気分、不安、不眠、あるいは遅刻や無断欠勤といった行動面の変化など、多岐にわたります。

                       
• 除外診断: 単なる「性格」の問題ではなく、また、うつ病や双極症(双極性障害)などの他の精神疾患の診断基準を満たさない場合に適応障害と診断されます。                           

                                   

ポイント: 適応障害は「ストレス源から離れると症状が改善する」という特徴があります。逆に言えば、ストレス環境に身を置き続けると、うつ病などへ重症化するリスクがあるため、早期の介入が不可欠です。

                     

                      

                

2.適応障害の回復までのステップ

                     

            
回復への道のりは一直線ではなく、大きく分けて「休養期」「回復期」「調整期」の3つのフェーズを辿ります。

                           

                     

① 休養期(エネルギーの充填)

                        
まずは心身を「戦い」のモードから「休息」のモードへ切り替える時期です。

                              
• 過ごし方: ストレス源(職場や特定の人間関係など)から物理的に距離を置きます。

                  
• 目標: 泥のように眠る、何もしないことを自分に許す。

                       

                   
② 回復期(活動の再開)

                     
少しずつエネルギーが湧いてくる時期です。 

                                  
• 過ごし方: 散歩や趣味など、自分が「心地よい」と感じる活動を短時間から始めます。

                              
• 注意点: 調子が良い日と悪い日の波があるため、無理をして一気に動かないことが大切です。

                       

                             
③ 調整期(社会復帰への準備) 

                             
元の環境に戻る、あるいは新しい環境へ進むための準備期間です。

                           
• 過ごし方: 生活リズムを整え、ストレスへの対処法(コーピング)を学びます。

                              
• 目標: 再発のリスクを減らすための「環境調整」を具体的に進めます。

                         

                                
3.3つの主な治療法

                             
適応障害の治療は、薬だけで解決するものではありません。以下の3つを組み合わせるのが一般的です。

                                 
① 環境調整あるいは休養

                            
治療の第一選択です。ストレスの原因を取り除く、あるいはそこから離れる調整を行います。

                   
• 職場の部署異動、残業の制限、一時的な休職。

               
• 家庭内の問題で生じた場合には、役割分担の見直し。

                        

              
② 心理療法(カウンセリング)

                                 
主に認知行動療法(CBT)などを用いて、ストレスに対する「捉え方」や「対処行動」をアップデートします。

                              
• 「〜すべき」という思考のクセに気づく。 

                             
• ストレスを感じた時のリラクゼーション法を習得する。

                                     

                    
③ 薬物療法

                                  
薬は「根本治療」ではなく、辛い症状を和らげて「環境調整や休養をしやすくするための補助」として使用します。

                       

・抗不安薬
強い不安や緊張を一時的に和らげる。即効性があるものが多い。依存性があるので、急性期の使用にとどめる。

                  

・抗うつ薬(SSRI、SNRI等)
落ち込みや意欲低下などのうつ状態が続く場合に用います。即効性はありませんが、徐々にうつ状態が改善します。

                          

・睡眠薬
眠れないことによる体力消耗を防ぎ、リズムを整える。最近では依存性のないものもあります。

                             

・漢方薬
不安、緊張、身体症状など、心身両面のバランスを整える。証が合っていれば一定の効果が期待できます。

                        

                     

4.日常生活でできるセルフケア

                          
医療機関での治療と並行して、日々の生活習慣を整えることは回復のスピードを速めます。

・睡眠環境の整備: 朝は太陽の光を浴びて体内時計をリセットし、夜はスマホを控えて副交感神経を優位にします。 

                         

・栄養の摂取: セロトニンの材料となるトリプトファン(豆腐、バナナ、乳製品など)や、神経の働きを助けるビタミンB群を意識的に摂りましょう。

                                

・心を整える:無心になれるボディワーク(ヨガ、ピラティスなど)やマインドフルネスなどで、マインドワンダリングしない心がリラックスする時間を積極的に作りましょう。

                       

            

              

5.再発防止のために

                              
適応障害は、元のストレス環境に無策のまま戻ると、高い確率で再発します。

                         
• 境界線を引く: 「ここまではやるが、ここからは断る」という自分なりのラインを明確にします。

                            
• 相談相手の確保: 専門家だけでなく、信頼できる同僚や友人に「今の状態」を話せるパイプを複数持っておくことがセーフティネットになります。

                                    
• 兆候に敏感になる: 「中途覚醒が増えた」「朝、体が重い」など、自分なりの初期サインを把握し、そのサインが出たらすぐに休む勇気を持つことが、長期的な健康を守る鍵となります。 

                          

                                   

                                                   
適応障害からの回復は、単に「元の状態に戻る」ことではありません。

                                           

ストレスと上手に付き合える「新しい自分」へとアップデートしていくプロセスでもあります。焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。

                              

残席残り2席 自然の薬箱アロマセラピストさんから学ぶクラフト講座

4/25日土曜日 10:30~

アロマの香りに包まれ、優しく穏やかな学びの時間を過ごしてみませんか。
今の自分が心地よく感じる香りを選んで、みつろうの練香クリームを作っていきます。

ハーブティーを飲みながら、心や体の声に耳を傾けて・・・

ご予約はお電話(052-733-5561)またはホームページ内スクール予約よりお願いいたします。

講師プロフィール 市川智子

自然の薬箱アロマテラピー講師

AEAJアロマセラピスト インストラクター アロマブレンドデザイナー

yuica認定日本産精油インタープリター

JAMHA認定ハーバルセラピスト

辛さや苦痛に向き合わないトラウマ治療法 ─フラッシュ・テクニック─


フラッシュ・テクニック(FT)は,2016年にEMDRのトレーナーであるフィリップ・マンフィールド博士によって開発されたトラウマ療法です。

  

  
患者さまに無理な負担をかけずに進める,エビデンスに基づいた安全で革新的な方法として,現在,注目されています。

  

  
従来のトラウマ治療との違いは,トラウマ記憶に直接向き合うことなく,その影響を和らげることができる点です。

 

辛かったできごとや体験を話すことが怖い時,非常に助けになります。また,施術時間も他の心理療法に比べて短いことも特徴です。

 
つまり,嫌なことを具体的に話さなくてもよく,短時間で実施できます。

 
その代わりに,楽しかったこと,うれしかったこと,ポジティブな気分になれたこと,自分が好きな物や場所,魅力を感じることなどの話しをしてもらいます。

 

そして,お話しをしながら,タッピングやバタフライハグをしてもらい,セラピストの声かけで,まばたき(フラッシュ)をしてもらいます。

  
上記のような手順で進めていくので,トラウマを扱っているのに,その場が楽しい気分で満たされていくような感覚があります。「そんなこと本当にあるの?」と思われた方は,1度,実施可能かご相談ください。

  

    
子どもから大人まで対応でき,トラウマまでは行かないけれど,思い出すと不快な気分になる記憶の処理にも役立ちます。

 

過去の辛い記憶,苦痛な感情,うつ,パニック,不安,強迫症,暴力被害,性被害,事故,いじめ,DV,ハラスメント,などなど,幅広く活用できます。

トラウマ治療の新しいメソッド ~ソマティック・エクスペリエンシング®療法~

    

ソマティック・エクスペリエンシング®療法(SE™)は、アメリカで生まれたトラウマ治療の新しいメソッドです

   

創始者Peter Levine博士(ピーター・ラヴィーン博士)は、「トラウマは出来事の中にはない。神経系の中にある」として、トラウマの心理的・精神的
な側面よりも、生理的・神経的な側面である自律神経系の調整不全を重視しました

   

体験した出来事の詳細を語ることよりも、「今、ここ」の安全を確認しながら、ご自身の身体感覚やイメージなどを少しずつ実感して、そのプロセスを歩み、辛い体験によって身体に閉じ込められたトラウマ (自律神経系のパターン)を解放していきます

   

これは、話しをすることで辛い出来事に向き合い、こころの傷に対処しようとするこれまでのアプローチとは異なる、新しいタイプのトラウマ治療法だと言えます   

    
ソマティック・エクスペリエンシング®療法では、人間が本来、動物と同じように持っている身体感覚を使います

 

身体感覚に働きかけることで、自律神経系の調整を促していきます

   

そうすることで人間が本来もっている自己治癒能力が高まるように整えていきます
 

  
こころと体のつながりを意識しながら、身体に蓄積されたトラウマの感覚に働きかけていきます

   

従来の話をすることでアプローチする心理療法では、思考や感情に焦点を当てていきますが、ソマティック・エクスペリエンシング®療法では、身体感覚、微細な体の動き、姿勢、呼吸、などの非言語情報を通じて、未解決なトラウマ体験にアプローチしていきます

    

また、安全な場所で、安心を感じてもらいながら行っていきます

   

さらに、身体感覚にフォーカスするだけではなく、そこから導き出されるイメージや感覚、感情や意味などに気づき、それをセラピストと一緒にひも解き、理解しながら統合していきます

    

そして、ご自身の未解決な、トラウマ化した体験や出来事を解放し、完了させていくことを目指します

   

完了させるとは、トラウマ以前の状態に戻ることではなく、新しいパターンを見つけていくことを意味します 

   

自律神経系を自己調整することで新しい身体感覚に気づくこと、それは新しい神経系のパターンを得て、まるで生まれ変わったかのように、新しい人生を生きていくことに似ているのではないかと思います

    

しかし、これまでのトラウマのパターンに巻き込まれないように、少しずつ進めていくので、時間がかかることが多いです

     

     

   

    
当院のトラウマケアは,上記のメソッドを用いた心理的ケアを行っております

    
気になる方は,お気軽にお電話にてお問い合わせください  

10日間のリトリートに参加してきました

   

あけましておめでとうございます

 

年末年始は、長く休診してしまい、大変申し訳ございませんでした

  

 

 

この間、10日間のサイレントリトリートに参加してきました

 

実質、11泊12日という長期のものです

  

今回で3回目でした

   

   

とある事情によって、今までで最も過酷な修行となりましたが、なんとか最後までやりきることができました

  

良い思い出です

      

    

      

「calm mind(平静な心)」と「attentive mind(注意深い心)」が、マインドフルネス瞑想の両輪であること

 

この両輪の均衡がとれていないといけないこと

   

改めてではありますが、体感的によくわかりました

   

     

    

   

ごく限られた狭い範囲の、小さな感覚への注意深い観察の重要さ

  

十分行ってから、ボディスキャンに入る方がよいことも、身をもって痛感しました

  

     

   

  

マインドフルネスを育み、維持できるように、日々のメンテナンスを続けていきたいと思います

        

  

  

2026年も、初心を忘れることなく、日々の診療に集中していきたいと思っております

   

どうかよろしくお願い申し上げます

森田療法を学ぶ

当院では森田療法に力を入れており、ショートケアプログラムにおいて臨床心理士による

グループ療法、日記療法を週二回行っております。

 火曜日午後12時~15時

 金曜日午前9時~12時

参加をご希望の方はお問い合わせください。(ショートケアの利用は当院通院中の患者様に限ります)

  

「森田療法」に関するインタビューを受けました

森田療法に関するインタビューを受けました

   

当院では、森田療法に力を入れており、グループ療法、日記療法を行っております

   

できるだけわかりやすいように説明しましたので、 ご興味ある方は是非読んでみてください

      

↓↓↓

不安症を治療する選択肢「森田療法」をご存じですか? 医師がその考え方や進め方を解説

「ショートケア」に関するインタビューを受けました

「ショートケア」に関するインタビューを受けました

 

当院では、こころからだスクールとして、各種グループ療法、ヨガ、マインドフルネスなどのショートケアを行っております

    

ご興味がある方は、是非読んでみてください

     

現在のスケジュールについては、当院トップページをご覧ください

   

↓↓↓

心の病気のリハビリに最適な「ショートケア」をご存じですか? 利用方法と効果を医師が解説

トラウマ・センシティブ・ヨガ

トラウマ・センシティブ・ヨガとは、アメリカのトラウマ研究や治療のための機関である「トラウマセンター」でトラウマのための補助療法として行われているプログラムです。


「過去のつらい経験が、今も心と体に影響を与えているように感じる」

 

「緊張や不安がなかなか消えない」

 

「自分の体を安心して感じられない」

   

そんなお悩みはありませんか?

  
  
トラウマ体験は、そのときの感情や感覚を体の中に記憶させ、様々な心身の不調として現れることがあります。

 

トラウマ・センシティブ・ヨガは、このようなトラウマの影響を受けた心と体に対して、無理のない動きや呼吸法を通して、安心感と自己調整力を高めていくことを目指します。
   

   

一般的なヨガとは異なり、「こうあるべき」という形にとらわれず、ご自身の内側の感覚を大切にしながら、安全な空間で心と体のつながりをゆっくりと取り戻していくことを目的としています。

   

続けていくことで、バラバラに感じていた体と心の感覚が 徐々に一体感を取り戻していきます。
 

    

男性関係でトラウマを持つ方がおられるため、当院のヨガは女性限定で行っております。

  

トラウマ・センシティブ・ヨガはトラウマに対して配慮された安全なヨガですので、当然ながらトラウマのない方も参加していただくことは全く問題はありません。   

  

ヨガ講座にご興味のある方は、主治医やスタッフもお声がけください。

ACEs(小児期逆境体験)について

子どもの頃、親からの暴言や暴力、育児放棄はありませんでしたか?

  

親のアルコール依存や薬物依存、精神疾患によって、不安定な養育環境ではなかったですか?

  

親の死別や離別によって、十分な愛情を得られなかったことはないですか?

  

自分の望まない性的接触はなかったですか?

  

これらの幼少期の逆境体験は、ACEs(Adverse Childhood Experiences)と呼ばれます。

   

多くのACEsを経験すればするほど、大人になってからさまざまな生きづらさを抱えやすいことが、多数の医学的研究でわかってきています。

   

ACEsが幼少期の神経の発達不全を引き起こし、情緒や認知の発達を損なってしまい、大人になってからも健康を阻害する行動を起こしやすくなり、結果としての精神疾患の発症につながるのではないかということが言われてます。  

   

ACEsの影響は生涯にわたって続く可能性があり、ACEsを経験した人が孤立しないように、周囲がサポートしていくことが大切です。

  

ACEsは長期的にネガティブな影響を及ぼすため、ACEs経験者の精神疾患の治療は長期になりやすい傾向があり、だからこそ、よりよい治療環境を整える必要があります。

   

当院では、ACEs経験者の治療の一環として、公認心理師により個別カウンセリングや、トラウマの克服に向けたトラウマ・センシティブ・ヨガを実施しています。

  

個別カウンセリングは医療保険外で高額になることが多いですが、

 

当院では、負担がかからず継続できるように、個別カウンセリングも、トラウマ・センシティブ・ヨガも、保険診療内で行っております。

   

 

ACEsは難しい問題ですが、少しずつでも快方に向かえるように、当院では、いろいろな治療や支援に取り組んでおります。

   

治療に際して気になることがおありであれば、お気軽に、主治医やスタッフにお尋ねください。